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1978年に10人足らずで結成されたエーデルワイス・ブラス・オーケストラ(団員の皆さんは「エーデル」と呼ぶ)は現在約60人の団員が在籍し、来年創立30周年を迎える(創立20周年には記念CDも制作)。長きにわたって常任指揮を務めた守屋英二氏に代わり、現在の常任指揮者である滝澤尚哉氏が振り始めて2年。
「新しいエーデルワイス・サウンドが生まれつつあるところだと思います」とは代表である芳地博光さん(バスクラリネット)の言葉。「音楽を楽しみたいから、楽しむために上手くなりたい。ただそればかりではバンドとしての面白さがなくなってしまう。そのバランスを追求していきたいというのがポリシーですね」
活動の中心は演奏会で、毎年秋の定期演奏会(今年は11月10日)に加えて、「サマーコンサート」のような軽めの演奏会とか、公園での野外演奏会などを行なってきたそうだ。
常任指揮者の滝澤尚哉氏にもお話をうかがったところ、「このバンドの一番わかりやすいポイントは、コンクールに出ないことですね。メンバーの多くはコンクールを経験しているのでしょうが、あえてこのバンドに来て演奏している、そこに意味があるのではないでしょうか。一緒にやっていていいなと思うのは家族的なところ。団員の定着率も高いし、団員同士の意思の疎通が良くできているから、阿吽の呼吸で物事を進めることができるのではないでしょうか」
エーデルワイスのサウンドの特徴は?との質問にはこう答えてくれた。
「このバンドのサウンドは、最初『じゃじゃ馬』という感想でした(笑)。棒が『こう行きたい』と思っても、『いや、僕らはこっちだ』という主張が、演奏する側にあるんですね。だから、これはやりがいがあるな、と。ときどき、びっくりするようなサウンドも出てきますよ。でも、振り始めて2年ですから今はまだ種蒔きの時期。これからまだまだ面白くなると思いますよ」
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ここのところ急にメンバーが増え、現在は6人でよくまとまっており、「練習の出席率も飲み会の出席率も高いパート」だとか。自分たちを家族に例えてお母さん=田中さん、お父さん=上田さん、長男=佐藤さん、次男=玉木さん、長女=石本さん、次女=内山さんと紹介しているが、家族的なエーデルワイス・ブラス・オーケストラの中でも、ひときわアットホームな雰囲気を醸している。
しかし、練習には真剣に望むそうだ。パートの司令塔でもある“お母さん”こと田中さんを中心にして、「特に若い人たちが練習をしたがる」とか。
月に1〜2回は自主的にパート練習をしており、1回1回かなりの練習量だそうだ。「今のメンバーは本当に気が合って、良い状態です。やっぱりホルンという楽器は、考え方がばらばらだと音色も合わないし吹き方も合わないと思いますので」と、田中さんは言う。 |
佐藤隆志さん
■使用楽器
アレキサンダー 1103GBL
■主な使用マウスピース
ベストブラス 樋口モデル
2006年10月に開催された「アレキサンダー社工房訪問ツアー」をはじめミュージックキャンプなどに積極的に参加しているAHOC会員。
「4年ほど前、楽器を買おうと思って103を吹いてみたらきつく感じて、隣にあった1103を吹いたらあまりにも楽に吹けたので1103を選びましたが、その後アレキサンダーのキャンプでノイネッカーさんにレッスンを受けたりして、吹き方を変えているので、今吹いたらまた違うかもしれません。
余談ですが、このバンドに入ってまもなく、田中さんにノイネッカーと同じことを指摘されたのは驚きました。自分で『どうしてできないんだろう』と思っていたことを最終的に解決してくれたのがこのバンドですね」
「というわけで、(アレキサンダー社工房訪問ツアーで)ドイツに行ったときにアレキサンダー社にあった103を片っ端から吹かせてもらって、今だったら103がいいなあと思っています」
かなりなじんでいるようだったが、実はエーデルワイスには半年前に入ったばかり。
「ここはやっぱり合奏の雰囲気が良く、練習が楽しいというのが大きいですね」と言う。今ではすっかり「宴会担当」(笑)だとか。 |
上田修太郎さん
■使用楽器
アレキサンダー 200M
■主な使用マウスピース
アレキサンダー 22、バック 7
在籍して7年、ホルンの中では2番目に長く“お父さん”役の上田さん。このバンドはやはり合奏が楽しいところが最大の魅力だそうだ。「吹いていて、ハーモニーがバシッと決まったときはやはり快感ですね。最近では高音よりも中低音を良い音で吹きたいと思っているところです」
現在の200Mの前に使っていた楽器は、大きな音を出すと音が割れたりとか、また、いつ紐が切れるかわからないストリングアクションが好きでなく(「今も4番の紐がよく切れてるじゃん!」とのつっこみあり)、新しい楽器を探していたときに、中古の200Mに出会う。
「楽器屋さんでありったけの楽器を吹かせてもらって、その中で一番しっくり来たのがこれでした。ちょっと予算オーバーでしたが(笑)、音が割れないし、深みのある音が出るし。これは自分に合ってるな、と思って。もともとアレキサンダーに対する憧れはあったのですが、予算的に無理とあきらめていたので、ラッキーでした」
上田さんが今の楽器に変えてから、音が柔らかくなって音色が合うようになったという証言も。 |
田中裕子さん
■使用楽器
アレキサンダー 103MB
■主な使用マウスピース
アレキサンダー 8
このバンドで20年。「ホルンが1人しかいない時代がしばらく続いていましたが、今はこのメンバーが定着して、幸せです」という田中さんはホルンパートにとって司令塔であり、「旗振り役」であり、常に全員に目を配る“お母さん”である。
「もともとクラシック好きですが、オーケストラをやらずに吹奏楽をやっているのは、この楽団が面白いから。クラシックもきちんとやるし、ポップスもやればジャズもやる、そういうふうに様々なジャンルの音楽を、その音楽のジャンルなりになりきって吹くということがとても面白くて、だから多分、60歳くらいまでここで吹くのだろうと思っています(笑)」
「社会人になったらお金をためてアレキサンダーを買おう」と学生の頃からずっと思っていたそうだ。「そうしたらあるとき、使っていた楽器が本番で壊れたんですよ! そのときはすでに働いていたし、ちょうどボーナスの時期。『これは神様が買えと言っているんだ』と思って、アレキサンダー――当時は店に103しかありませんでしたが――をあるだけ出してもらって、選んだのが今の楽器です。ちゃんと吹きこなせるまでに4〜5年かかりましたが、自分がずっと出したいと思っていた、抜ける高音が出せるようになったので、この楽器で正解だったのかなと思っています」 |
石本真美さん
■使用楽器
ハンスホイヤー 801
■主な使用マウスピース
バック 7S
エーデルに入って7年、去年からはパートリーダーも任されている“長女”石本さん。「このパートはほとんど家族ですね。どういう教育方針でこの子らを育てたんだろうというくらいの個性派ぞろいですが(笑)」と話す。
「ホルンの役割ってバンドの中では縁の下の力持ちだけれど、ベースとホルンがしっかりしていれば、全体は崩れないじゃないですか。そういう重要性は感じますよね。一昨年くらいは練習に来ると1人という時期があってつらかったですが、その分、4人そろってハーモニーを作れたときの感動は大きかったですね(笑)」 |
玉木光さん
■使用楽器
イオ 1054cl
■主な使用マウスピース
TAD
約1年前に入団。「当時見学者も多かったらしくて、最後の椅子になりそうなのがわかったので、急ぎめで来ました(笑)」という“次男”。やはり演奏会中心というポリシーに惹かれたそうだ。
「コンクールは学生の頃は楽しかったですが、そのモチベーションが続くかどうか疑問でしたので。結果的にはこのバンドで大正解です」
「平日は仕事が忙しいから楽器は吹けませんが、休日はほぼエーデルだけですね。会う人もエーデルの人ばかりですし、合奏がなくてもパート練習とか個人練とかでホルン吹いてますし。平日のストレスを全部発散しています。体力は消耗しますが、気持ち的にはリラックスしていますので。練習は好きですから」
ホルンは大学から始めという玉木さん、他のメンバーに比べて楽器を始めたのは遅かったが、そこは練習で補っているようだ。
「実践の指導は田中さんから、知識の指導は佐藤さんからしてもらっています(笑)」 |
内山奈月さん
■使用楽器
ヤマハ 567GDB
■主な使用マウスピース
ヤマハ 32C4
まだ入団して4ヶ月という“末っ子”。
「高校の吹奏楽部でホルンを始め、大学生のときには楽器を吹いていませんでした。でも社会人になってから、最初は休日が暇だったんです。楽器はずっと吹きたいと思っていたので、高校の先輩(石本さん)のいるこの楽団に入りました。まだブランクからは復帰していませんが、気持ち的には高校生のときよりも負けず嫌いになりました。高校生の頃はそんなに考えてなかったですからね」
「自分が吹けてないのがわかって悔しい。これから修行します!」という内山さん。他のメンバーからも「本当に負けず嫌いですよ」とのコメントが。目標を聞いても「負けないこと」との答え。「本当は、『裕子さんを超えること』です。でもそう言うと止められるんですよ。『裕子さんは2人いらない』って(笑)」 |
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掲載の演奏会は終了致しました。最新情報は各団体にお問い合わせ下さい。 |
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エーデルワイス・ブラス・オーケストラinformation |
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■第29回定期演奏会 |
日時 |
2007年11月10日 (土)
18:00開場/ 18:30開演 |
場所 |
江戸川区総合文化センター 大ホール |
曲目 |
チック・コリア/スペイン
坂本九スタンダード・メドレー
プッチーニ/歌劇「トスカ」より テ・デウム
ネルソン/アスペン・ジュビリー
他 |
指揮 |
滝澤 尚哉(常任指揮者)/守屋 英二(名誉指揮者) |
入場料 |
[当日券]1,000円
[前売券]800円
(小学生以下無料) |
予約・問い合わせ |
edel@music.email.ne.jp |
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このコーナーではアレキサンダーホルンオーナーズクラブ会員が所属するオーケストラ、吹奏楽、アンサンブルなどを紹介していきます。
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