さて、開幕は10人によるジョン・ウィリアムズ《ロサンゼルスオリンピック・ファンファーレとテーマ》(編曲は小林健太郎氏)。開幕にふさわしい、ブリリアントなサウンドによるファンファーレで始まったが、いきなりのアレキサンダートーン全開。パワフルだが決して乱暴ではなく、ときにブラッシーだが汚くない。響きの色が統一されているために「かたまり感」が強く、だからこそ強いエネルギーを持った音を“浴びる”快感がある。中間部の柔らかく温かいメロディでも勢いを失うことなく、鋭く速いファンファーレのパッセージが重なり、一気にクライマックスに到達する。いつも感嘆することだが、低音のの支えがものすごい。全員がオーケストラプレーヤーだが、オケの中ではなかなか聴けないパワフルな低音を聴くと、「これぞホルンアンサンブルの醍醐味」と感じる。 |