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※写真は最後の1枚を除いてリハーサル時のもの |
1曲目、バッハ《管弦楽組曲第2番》より〈バディネリ〉では有名なフルートのソロを、ホルンを感じさせないほど軽やかに演奏。
2曲目はホルンのレパートリーとして欠かせないベートーヴェンの《ホルンとピアノのためのソナタ》。ベートーヴェンが作曲したのが30歳、岸上さんも30歳ということで「運命である」とプログラムにも書いていた(曲目解説などはすべて岸上氏自身によるもの)。ハンドストップ奏法の名手であったジョヴァンニ・プントの依頼で作曲され、ナチュラルホルンで演奏されたこの曲は、現代のホルンで演奏しても難しいところが多々あるが、そういう技術的なことを一切気にさせることなく、「ベートーヴェンの音楽」に聴衆を引き込んだ。
1947年生まれというウィーンのライナー・ビショフの《ソナチネ op.2》は、たまたま岸上氏がウィーンの楽器店で楽譜を手に取ったものだそうだ。無伴奏の現代曲であり、多分会場にいるほとんど誰も知らない曲であったが、岸上氏が一度自分のものとして表現された結果、確かに難解ながらも「なるほど!」と思わせてくれるような演奏となっていた。 |