1曲目のターナー《Take 9 アンティフォナル・ファンファーレ》は久しぶりの定期演奏会を飾るような華やかなナンバーであり、アレキサンダーならではの輝かしい音色がぴったりとマッチしていた。迫力はあっても雑味のないffのハーモニー、分厚い低音、細かな音型の重なりの中からすっと浮き上がるメロディなど、ワクワク感あふれるオープニングとなった。
続くリディルの《MEYENMUSICK 16世紀ブレスラウの5月の歌の主題による4本のホルンのための変奏曲》は、1st上間、2nd日橋、3rd藤田、4th伴野のカルテット。様々な組み合わせによるデュオの掛け合いとか、変拍子を含む複雑な絡みとか、レシタティーボ風など、様々な曲想の短めのバリエーションが次々に現れて、曲の面白さ、ホルンという楽器の持つ多様性、アレキサンダーのポテンシャル、そしてそれらを自在に吹きこなす奏者の技量とアンサンブルの妙を楽しむことができた。 |