アレキサンダーファン
2013年11月掲載
第55回 アレキファン的「ホルンの“ホ”」
ホルンフェスティバルin札幌レポート! 北海道がホルンで熱く燃えた! 北の大地、札幌にてホルンフェスティバル開催!!

 去る9月22日(日)札幌大谷大学にて日本ホルン協会主催のホルンフェスティバルin札幌が開催されました。すでに夏が終わり、少し肌寒くなった札幌に全国から多くのホルン吹きが集結。今回は“北海道がホルンで熱く燃えた”ホルンフェスティバルin札幌の模様をレポートします。



 会場となった札幌大谷大学は札幌駅から地下鉄で3駅程行った静かな街並みの中に位置します。そんな札幌大谷大学で朝早く9:30から始まったフェスティバルは午前中に日本ホルン協会会員やアマチュア奏者、中高生向けのクリニック、そして故千葉馨氏生誕85周年を記念した「ロマンス」コンテスト、どこまで音を伸ばせるかロングロングトーンコンテスト等々、早くも盛りだくさんの内容!そして午後からはフェスティバル部門と題し、北海道のホルンについてのパネルディスカッションで歴史を学び、アマチュア団体や札響メンバーを中心としたスペシャルアンサンブルを愉しみ、丸山勉氏の艶やかな響きがホール中に響き渡ったブリテンに酔いしれ、これでもか!と言うぐらい充実したプログラムが並びました。そしてそして、メインは北海道にゆかりのあるプロ奏者4名によるシューマンのコンチェルトシュトゥック。札響メンバーを中心に特別編成されたオーケストラをバックに千歳市出身の井手詩朗氏(新日本フィルハーモニー交響楽団首席)、旭川市出身の西條貴人氏(東京都交響楽団首席)、札幌市出身の中島一之氏(国立音楽大学教授、元NHK交響楽団)、そして札幌交響楽団の橋本敦氏の4名が熱演。いや〜、これは凄かった!なんだか、ものすごい時間を経験してしまったのではと思わずにいられないほど圧巻の演奏でした。



北海道のホルン史を辿るパネルディスカッション   ロングロングトーンコンテスト!
北海道のホルン史を辿るパネルディスカッション   ロングロングトーンコンテスト!
     
アンサンブル・ハイス・オンケルによるアルプホルン演奏   カプリ〜ス・ホルン・アンサンブル
アンサンブル・ハイス・オンケルによるアルプホルン演奏   カプリ〜ス・ホルン・アンサンブル
     
北海道教育大学岩見沢校ホルン専攻生によるアンサンブル   島方組東京支部『北の大地』も登場!
北海道教育大学岩見沢校ホルン専攻生によるアンサンブル   島方組東京支部『北の大地』も登場!
     
菅野猛氏(札響)のベースが大活躍!ホルン協会理事と札響アンサンブル   丸山勉氏の艶やかな響きが響き渡るブリテン
菅野猛氏(札響)のベースが大活躍!
ホルン協会理事と札響アンサンブル
  丸山勉氏の艶やかな響きが響き渡るブリテン
     
メインとなったコンチェルトシュトゥック   フィナーレの大合奏ではヴェートーベンの自然における神の栄光を演奏♪
メインとなったコンチェルトシュトゥック   フィナーレの大合奏では
ヴェートーベンの自然における神の栄光を演奏♪
     


 ロビーには協賛各社が楽器展示ブースを展開。我らがアレキサンダーも総輸入発売元(株)ヤマハミュージックジャパンのブースにカッコいいバナースタンドを従え103MBL、103MBLHG、103GL、1103MBL、1103MBLHG、107XGBLの計6本が堂々展示されていました。そしてなんと!!2009年に世界限定25本製造された103誕生100周年記念モデルも一緒に展示されていました!これは札幌から程近い手稲駅そばにある三響楽器が販売するもの。日本に入荷したものはすべて個人のユーザーがすでに購入されているはずですので、おそらく市販されているのは世界を見渡してもこの1本が最後ではないでしょうか。見た目の美しさは勿論のこと、その透き通った美しい音色は類を見ない程に魅力的!興味のある方は三響楽器( http://www.sankyogakki.com/ )までお問い合わせをされてみてはいかがでしょうか?


 そうそう、今回のフェスティバルではオーナーズクラブ会員の皆さんにメルマガで事前に案内させていただいた通り、メンバーズカードを持参してくださった方々にボルドーレッドの新色、アレキロゴ入りボールペンプレゼント企画を実施しました。これがものすごい好評で、予定本数がすべて無くなってしまうほど。北海道のホルン熱、アレキ熱の高さを強く感じた次第です。再び同企画を実施出来るのがいつになるかわかりませんが、これだけ人気だと早く次やらないとなぁ〜と思わずにはいられませんね。



アレキがズラッと並んだ展示ブース!   世界最後の市販品103誕生100周年記念モデル!!
アレキがズラッと並んだ展示ブース!   世界最後の市販品103誕生100周年記念モデル!!
     
大反響のアレキロゴ入りボールペン配布企画♪   楽器展示ブース、上から見るとこんな感じ♪
大反響のアレキロゴ入りボールペン配布企画♪   楽器展示ブース、上から見るとこんな感じ♪
     


 さて、ここでちょっと話題を変えて「ここで吹いてます!」〜番外編〜をお届けします!
今回のフェスティバルには大変多くのアンサンブル団体が出演しましたが、その中のひとつ”Horn Ensemble Bacchus”をご紹介したいと思います。ホルンが好きで、音楽が好き、そして宴が大好きな老若男女が集うが故に”Bacchus”と名付けられたそう。そんなBacchus結成のキッカケはホルンフェスティバルin札幌開催に尽力された島方晴康氏(札響)をはじめ、丸山勉氏(日フィル)、阿部雅人氏(元新日フィル、現沖縄県芸准教授)、西條貴人氏(都響)、折笠和樹氏(札響)らが中心となって毎年開催しているボスキャンプにあります。メンバーの大半がボスキャンプに参加したことがキッカケで北海道内アチコチのホルンアンサンブルの活動を見聞きする機会が増え、現代表の濱中大輔さんが自分達もホルンアンサンブルを!とのウズウズに耐えきれなくなり(笑)、主に札幌で活動している気の合いそうな、そしてBacchusっぽいホルン吹きに声を掛け、結成に至ったそうです。


  結成からこれまでは、定期的な練習は行われず、出番が決まると随時練習をするという「ドロナワ・システム」と、練習会場も定まっておらず、練習の度に市内の空き部屋を探し彷徨う「ジプシー・システム」のなんとも形容し難いふたつのシステムで運営されているとのこと。毎度練習後に行われる宴ではそろそろドロナワ・システムからの脱却を目指した定期的な練習スケジュール組み立てを!とのポジティブな会話も出ている模様。。。現在は11月30日の第1回定期公演に向け、元札響の吉田充氏の指導による合宿を企画したりと、精力的に活動中とのこと。


  メンバーのひとり森田和寿さんは「まだヨチヨチ歩きのアンサンブルではあるものの、もっと楽しいアンサンブルとなるよう試行錯誤しながら進んでいきたい。そしてより一層の宴の充実に向けて努力をしていきたい」と語ってくれました。また11月30日の演奏会に向けては「結成記念演奏会を開催してから約1年、いよいよ年1回のサイクルで定期公演をやることに致しました。今回のステージは、肩肘張らないライトな曲を中心に構成していますし、会場はおしゃれなカフェですのでコーヒーでも飲みながら、気楽に聴いていただいたりも出来ます。Bacchusとしましては、出来ればワインなんかと一緒に聴いていただきたいですね。なので、なるべくお車は置いてきてください。また、連続企画「緑本コーナー」として、数年をかけて緑本を全曲制覇するという壮大な計画を今回からスタートします。さらに友情出演としてホルンアンサンブルの先輩グループである『旭川ホルン倶楽部』の演奏もお楽しみいただけます。打上でおいしいお酒を飲むために、メンバー一同、精一杯楽しんで演奏します。たくさんのお客様にお付き合いいただけると、とっても嬉しいので皆様よろしくお願い致します。」とのこと。演奏会のみならず、その後の宴まで含めて愉しむのがBacchus!!今回のホルンフェスティバルin札幌でも本番から打ち上げまでその片鱗を窺い知ることが出来ました、アハハ。


 さて、せっかくですのでBacchus第1回定期公演情報と各メンバーの愛用楽器をご紹介したいと思います。




演奏会情報
 
『Horn Ensemble Bacchus 第1回定期公演 ホルンだらけの演奏会』
日 時 11月30日(土) 17:00〜
場 所 カフェ・プランテーション 札幌市白石区菊水8条2丁目1-32
 



各メンバー愛用楽器
お名前 使用楽器 マウスピース
濱中 大輔さん アレキサンダー 103MBLHG B.Tilz model E.Schmid 8
アレキサンダー 103MB
(すり減ってベルから向こうが透けて見えるヤツ!)
濱中 麻美さん アレキサンダー 103MBL Bach 10
アレキサンダー 103G
(40年以上前の逸品)
内田 恵さん アレキサンダー 103M アレキサンダー 8FM
岩崎 莉奈さん ホルトン H280 ヤマハ 32C4  
保浦 努さん ホルトン H279R ホルトン 30D4
永井 健さん クルスペ ホーナーモデル クルスペオリジナル(特注の復元品)
アレキサンダー 104GB アレキサンダー 5
アトリエ ハーロー 310(ウィンナホルン) ホルトン XDC
白根 ゆりさん アレキサンダー 103GBL B.Tilz Mcwilliam 1W
山本 遙さん アレキサンダー 103MBLHG B.Tilz Mcwilliam 2W
竹谷 清児さん アレキサンダー 103MBL アレキサンダー 21
千葉 博幸さん アレキサンダー 103MB アレキサンダー MY15
森田 和寿さん アレキサンダー 103MBL B.Tilz S8
(ヘビータイプ、特注フォセット加工)



 濱中大輔さん、麻美さんはご夫婦とのことですので何と一家に4本の103があることになります。すごいですね〜!そして更に、永井健さんはバリー・タックウェルの『フレンチホルンの奏法』の翻訳者でもあるとのこと!Bacchusは決して宴だけではない、なかなかのメンバーが集まったアンサンブル団体のようです。これは行くっきゃないですね、11月30日の演奏会!あっ、ちょうどその日は中島公園の目の前にあるヤマハ札幌店で『アレキサンダーホルンフェア』も開催予定とのこと。ココだけの話、アレキサンダー社が鋭意開発中の例の楽器(軽くなった3階建て!)も特別に試奏出来る予定とのこと。日本ではまだ誰も吹いたことの無い、あの楽器。詳細はまた後日。いずれにしても11月30日(土)は札幌にGo!!ですね♪



Horn Ensemble Bacchusの皆さん

Horn Ensemble Bacchusの皆さん



 と言うことで、本編に戻ります。


 今回のフェスティバル、日中のイベントも勿論凄かったのですが、終了後の懇親会もこれまたさすが札幌!なんと観光名所としても有名なさっぽろテレビ塔が会場でした。最初は静かな雰囲気で始まったものの、さすがにこれだけのホルン吹きが集まると、日中だけでは物足りなかったのか、懇親会の中でも多くのアンサンブル演奏が繰り広げられました。事務局スタッフはさすがに2次会で力尽きましたが、この盛り上がりは当然1次会だけに留まらず、2次会、3次会と真夜中まで続いた模様です。熱いね、札幌!!



立食形式の懇親会でした   懇親会でも演奏尽くし!
立食形式の懇親会でした   懇親会でも演奏尽くし!
     



 さて、最後にフェスティバル開催に向けて中心的に活動された島方晴康氏(札幌交響楽団)より本コーナーのためにコメントをいただきましたのでご紹介して今回のレポートを終わりにしたいと思います。


『去る9月22日(日)に札幌大谷大学を会場にホルンフェスティバルを開催しました。開催テーマは「北海道のホルン」、そして以下の3つを柱に取り組みました。

1.中高生や一般アマチュア向けのクリニックを開催して技術的な向上を目指す。
2.カテゴリーを設けず広く参加者を募ったコンテストの開催。
3.北の大地各地に存在するアマチュアホルンアンサンブル団体の演奏や北海道縁のホルン奏者たちの演奏。

結果、来場者は300名を越え、楽器ブースも沢山の参加者で賑わいました。北海道がホルンで熱く燃えた1日になったと思います。仲間と協力しながら進めた事前準備も大変でしたが、今はこのフェスティバルが北海道のホルン熱を更に高め、将来的なレベル向上に確実に繋がるものになったと確信しています。ホルンフェスティバルin札幌、開催して本当に良かったと心から感じています。』

日本ホルン協会北海道支部支部長、札幌交響楽団ホルン奏者 島方晴康



 島方さん、ありがとうございました!いやぁ〜、事務局スタッフも1日参加して、この盛り上がりを肌で体感しました。ホント素晴らしく楽しい1日でしたよ。まさに『北海道がホルンで熱く燃えた1日』、ホルンフェスティバルin札幌、またこんな素敵なイベントが札幌で開催されるといいな♪



文: アレキサンダーホルンオーナーズクラブ事務局
写真提供: 日本ホルン協会北海道支部(一部写真を除く)

↑ ページトップへ戻る


ALEXANDER HORN OWNER'S CLUB Copyright© Yamaha Music Japan Co., Ltd. 個人情報保護方針