アレキサンダーファン
2013年05月掲載
第54回 アレキファン的「ホルンの“ホ”」
フランクフルト・メッセ2013レポート テナーホルン146GLがドイツ楽器賞第1位獲得! フランクフルトミュージックメッセ2013 アレキサンダー社ブースレポート

 

  Musik Messeメインエントランス
  Musik Messeメインエントランス
 去る4月10日〜13日までドイツ・フランクフルトにて毎年恒例Musik Messeが開催されました。アメリカ・アナハイムでのNAMM、中国・上海でのMusic Chinaと並び、世界最大級の楽器展示会として知られるフランクフルトMusik Messe!! フランクフルトより電車で約30分の街、マインツに工房を構える我らがアレキサンダー社も当然出展。今回はMusik Messeでのアレキサンダー社に関するレポートをお届けします。


広大なMusik Messe会場のほんの一部  
広大なMusik Messe会場のほんの一部  
 管楽器だけではなく、ピアノなどの鍵盤楽器、弦楽器、打楽器、電子楽器、民族楽器、楽譜、各種ソフト等々、楽器に関するすべての製品群が展示されていると言っても過言ではないMusik Messe。フランクフルト中央駅より徒歩約10分、広大なMesseの敷地内にはいくつかの建物に分かれ、多種多様な楽器類が展示されています。アレキサンダー社ブースは管楽器フロアのエントランスを入ってすぐの場所に展開。管楽器フロアが昨年までとは違う建物に移動したこともあって、今年はブースデザイン、レイアウトが少し変更されていました。ブースではフィリップ・アレキサンダー社長をはじめとするアレキサンダー社スタッフが世界中の取引先とのミーティングや来場者対応を忙しそうに、そして誠実に行う姿が終始見られました。


ホルン、チューバなどが展示されるアレキサンダー社ブース

ホルン、チューバなどが展示されるアレキサンダー社ブース



 
Messe会場内にドイツ楽器賞受賞楽器mod.146GLが展示されていました
  Messe会場内にドイツ楽器賞受賞楽器mod.146GLが展示されていました
 今回のMusik Messeにおけるアレキサンダー社としての大きなトピックはテナーホルンmod. 146GLがドイツ楽器賞を受賞したことでしょう。毎年Musik Messeに併せて発表されるドイツ楽器賞は2種類の楽器が対象となっており、今年はテナーホルンとEb管クラリネットの部門が設置。アレキサンダー社は過去1995年、2005年と2度に渡りF/Bbフルダブルホルンmod. 503が同賞を受賞しており、テナーホルンが対象となった今回はmod. 146GLを出品。楽器製造の腕が評価対象となる「ハンドワーク」部門で最高得点を獲得、そして8人の奏者によるブラインドテスト、精密な音響測定検査等を経て見事1位を獲得したのです。アレキサンダー社と言えば銘器mod. 103や上述のmod.503等のダブルホルンばかりが評価されがちですが、ドイツでも愛用者人口が決して多くはなく、アレキサンダー社でも年間製造本数が然程多くはないテナーホルンでも今回名誉あるドイツ楽器賞を受賞。このことからアレキサンダー社の基本的な楽器製造レベルが非常に優れていることが窺い知れますね。


テナーホルンmod.146GLと微笑むP.アレキサンダー社長   表彰状と記念メダルを授与されたP.アレキサンダー社長(右)   Mr. Wolfgang Schulteによる受賞作品演奏
テナーホルンmod.146GLと
微笑むP.アレキサンダー社長
  表彰状と記念メダルを授与されたP.アレキサンダー社長(右)   Mr. Wolfgang Schulteによる
受賞作品演奏


 ところで話変わって、アレキサンダー社のロゴマークが昨年末に変わったことをご存知でしょうか?これまではGEBR. ALEXANDER MAINZと大文字の社名に「マインツ」の名が入っていましたが、新しいものはGebr. Alexander 1782と頭文字以外は小文字に、そしてアレキサンダー社創業年である「1782年」がマインツの代わりにロゴの中に入りました。フィリップ・アレキサンダー社長によると「残念なことにマインツと言う素晴らしい街の名は世界中にはあまり知られていない。創業230年を迎えたアレキサンダー社は私の世代ですでに7代目。未来において新しい歴史を形作って行く過程において、その長年に渡る歴史と伝統を改めて多くの人達に認識してもらいたいと思って1782年と創業年をロゴに加えることにしたんだよ。」とのこと。マインツの文字がロゴから外れるのはその街を訪れ、暖かい街も人も知っている事務局スタッフとしては若干寂しい気もしますが、「アレキサンダー社において伝統とは過去への賞賛、過去を振り返ることではありません。未来への光を、次の世代へと常に受け継いで行くことなのです。」(アレキサンダー社225周年記念パーティーより)とフィリップ・アレキサンダー社長は以前語っていたことがあります。今回のロゴ変更もその考えに基づいてのものなのでしょう。ちなみにアレキサンダー社から世界中に出荷される楽器にも徐々に新しいロゴが付き始めているようですよ!



今までのロゴ       こちらが新しいロゴ!
今までのロゴ       こちらが新しいロゴ!


 さて話戻って、アレキサンダー社ブースにおけるその他のトピックと言うとF/Bb/High Fフルトリプルホルンmod. 301ライトウェイトモデルがお目見えしたことでしょうか(ごめんなさい、写真はありません!)。これはPIPERS vol. 376(2012年11月発売)掲載の『アレキサンダー家のアルバム』においてもフィリップ・アレキサンダー社長が少し触れていましたね。とは言っても今回見ることが出来たのはまだまだ正式発表前のプロトタイプ。今回のMusik Messeや他の様々な機会を通じ、今後更に改善がなされる予定で「出来たら来年のMusik Messeで発表したいと思っているよ。」とはフィリップ社長。世界的に軽めの楽器が好まれているトリプルホルンの分野において、多くの人達から愛されるアレキサンダーホルンの音、響き、吹奏感はしっかりと保ちつつも、その重量を効果的に除去しているmod. 301ライトウェイトモデル。その正式発表が今からとても楽しみですね♪



 テナーホルンmod. 146GLがドイツ楽器賞を受賞、そしてmod. 301ライトウェイトモデルのプロトタイプがお目見えしたMusik Messeでのアレキサンダー社。来年はもう少しブースを大きくする予定とのことですが、果たして何が飛び出すのか、mod. 301ライトウェイトモデルは登場するのか、期待は尽きませんね。その鍵はきっとこの人達が握っているのでしょう。



(左から)P.アレキサンダー社長、ハンス・ヘルマン氏、キャスパー・ケルコフ氏、ライモンド・パンクラッツ氏、以上、精鋭揃いのアレキサンダー社セールスチームの面々

(左から)P.アレキサンダー社長、ハンス・ヘルマン氏、キャスパー・ケルコフ氏、ライモンド・パンクラッツ氏、
以上、精鋭揃いのアレキサンダー社セールスチームの面々



文: アレキサンダーホルンオーナーズクラブ事務局


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