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小椋さん |
「東京や大阪などの大都市では、海外のオーケストラの公演や、ホルンのクリニックなどもあり、アマチュアのホルン吹きがプロの演奏に接する機会が多いですが、地方に行くとそういう機会はどうしても少なくなります。日本中でこれだけ吹奏楽が盛んになっていても、ホルンの技術や奏法のことに関してなかなか正しいことが伝わっていない状態なんです。楽しく吹こうと思ったら、ある程度そういう知識は必要だと思いますし、何よりも生の音を聴くことが大切です。
我々はそういう、他の人たちがあまり手の届かないところに行って、ホルンという難しい楽器に親しみと理解を持ってもらい、もっともっと楽しく吹いてもらおうというのが大きな目的のひとつです。そのためにも、地元で熱心に活動していらっしゃるアマチュアの方と一緒に吹く機会を設けるようにしています。一緒に吹くことで、口であれこれ言うよりも早くわかるじゃないですか。例えばアンサンブルのときの息づかいや音楽的なやりとりのしかたなど、実際に体感してもらえますから」 |
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林さん |
「ホルンアンサンブルがNPO法人になったというのは、これまで例がないと思います。東京と大阪だけで演奏会をしていれば、アンサンブルとしてはやっていけるんです。でも、そういうところは年間を通じて生のホルンアンサンブルを聴く機会があるじゃないですか。我々は地方の苦労を知っている人間なので、普段演奏会が少ない地域であえてやろうと。そのためにはやはり経費がかかりますし、情報網も必要になります。そこでファンクラブを年間2000円で募り、ゲネプロの公開や各地域でのメンバーとの交流会、さらにはアマチュアのホルン奏者同士の交流という機会を持つという活動をしているんです。また、法人格があると、学校教育に関する活動がスムーズに行くということもあります。学校の音楽鑑賞でホルンアンサンブルを聴ける機会というのもあまりなかったと思いますから」 |
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須田さん |
「震災から1年経ちますが、宮城県でも沿岸部はまだまだ厳しい状況です。私の住んでいるマンションも全壊になって、いま集中工事を始めています。仙台フィル自体はすぐに活動再開できる状態でしたが、やはり半年くらいは小さな編成に分かれて、各地の避難所で演奏を続けていました。私自身もかなりの回数を行ないましたね。
シンフォニア・ホルニステンも、去年の3月には仙台で集まって練習し、6月には北海道・東北公演という予定もあったのですが、すべてキャンセルになってしまいました。嬉しいことに地元の仙台でも『シンフォニア・ホルニステンの皆さんは来ないんですか?』という問い合わせがありますので、いつか実現させたいですね。今回は関東公演ですが、千葉・市川での公演をもって、メンバー全員の地元での演奏会ができたことになります」 |
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広川さん |
「シンフォニア・ホルニステンをひとことで言えば“仲良しアンサンブル”(笑)。ホルン以外のことも気が合いますしね。食べることが多いのですが(笑)。メンバーは全国に散らばっていますが、基本的には関西に集まってリハーサルをすることが多いです。そのスケジュールも、半年とか1年前に決めています。
今回は私の地元でもある千葉県市川市で演奏会を行ないました。やはり地元での公演というのは緊張しますね」 |
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水無瀬さん |
「もともと関西の人間なので、普段は栃木などに行く機会は少ないですが、地方に行ったときの一番の楽しみは、ご当地の美味しい物を食べることですね(笑)。
シンフォニア・ホルニステンは楽器が全員アレキサンダーということで、5人でパンと音を出したときに、“気持ちよく揃う”という感覚がありますね。同じようにfに上がったり、同じようなpを出したり、音色が変化するポイントが一緒ということで、アンサンブルとして陰影を付けやすいような気がします」 |
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