私個人に翻り、音楽の押しつけなどはなからする気はなかったし、するべきではないと思っていた。だからこそ今までは依頼されなければ演奏をしてこなかったのであるが、震災を経て自分から何かをしなければいけないのだという気持ちに初めてなった気がする。
依頼されなければ演奏しないという、言わば上から目線とも捉えられかねない(そのように我々は決して思っていないが、そうしないとギャラをいただけない、生活が成り立たないという現実がそこにある)ことではなく、もっと気軽に一緒に楽しむ、というようなことが日常のように出来る社会になればよいのであろうが、残念ながら音楽家を取り巻く環境は甚だ厳しい。 |