アレキサンダーファン
2011年05月掲載
第47回 アレキファン的「ホルンの“ホ”」
アーヘナー・ホルン・クァルテット・サロンコンサート レポート 池田重一氏(大阪フィルハーモニー交響楽団)、澤嶋秀昌氏(京都市交響楽団)、中西順氏(大阪交響楽団)、小椋順二氏(京響市交響楽団)の主に関西で活躍するトッププロ奏者4名が集結したアーヘナー・ホルン・クァルテット、そのサロンコンサートが3月30日に大阪のドルチェ楽器アーティストサロンにて行われました。今回はその模様をAHOC会員の巽朋子さんにレポートしてもらいました〜♪

小椋氏のテンポの良い軽妙なトークにより進行
小椋氏のテンポの良い軽妙な
トークにより進行

 2011年3月30日、大阪のドルチェ楽器アーティストサロンにてアーヘナー・ホルン・クァルテットのコンサートが開催されました。
 関西プロオーケストラの第一線で活躍されているホルン奏者がメンバーということもあり、会場は席を増設するほどの溢れんばかりの人で満員になりました。
 このサロンの良いところは、とても奏者と客席が近いこと!奏者と観客に一体感があり、プロの技を間近で楽しめます。私も1番前の1番ホルンのすぐ横の席を確保し、指使いから口元までしっかり研究させていただきました!

 アーヘナーホルンアンサンブルは大阪音大出身で、ドイツのアーヘンという同じ地で勉強を積んだメンバーで結成されており、同じ出身同士なので兄弟みたいだ!とお互いを“長男、次男、三男、末っ子”とあだ名で呼んでいるそうです。

 

長男から末っ子まで息もピッタリ!
長男から末っ子まで息もピッタリ!

 「プラーガー:組曲」の堂々たるホルンの響きからコンサートは始まりました。メンバー全員がアレキサンダーホルンを使用しており、その響きは、勉強を積んだドイツの地を思わせるような素晴らしいものでした。
 第一部は、聞き馴染みのあるホルンアンサンブル曲とオーケストラの編曲作品が演奏されました。
 中でも面白かったのが、「チャイコフスキー:ピッチカート・オスティナート」は、有名なチャイコフスキー:交響曲第4番の弦のピッチカートをホルンで演奏してしまおうという面白い作品でした。演奏も、それぞれのパートのスリルある掛け合いが絶妙にかみ合って、まるで弦を弾くかのような綺麗なメロディーを奏でていました。ちょっとドキドキしましたが、さすがプロ!という演奏でした。



ピアノ岡純子さん共演によるヴィット、2本のホルンとオーケストラの為の小協奏曲。
ピアノ岡純子さん共演によるヴィット、
2本のホルンとオーケストラの為の小協奏曲。
 第二部は、それぞれのメンバーが共演したことがあるというピアニストの岡純子さんをゲストに迎えて、ピアノとホルンの為の曲が演奏されました。
 最初に演奏した「ヴィット:2本のホルンとオーケストラの為の小協奏曲」は、あまり知られていない作曲家ですが、素晴らしい作曲家で是非多くの方達に知っていただきたいというメンバーの思いがあり、紹介されました。
 1番ホルンの池田氏が優雅なメロディーを華麗に奏でる中、2番ホルンの中西氏が合いの手のように入る掛け合いがとても素晴らしく、難しいことをしているのに難しく聴こえない感じがさすがでした!ピアノとも溶け合い流れるような本当に素晴らしい演奏で、お薦めの曲だという理由がとても良く分かりました。
 続いて演奏された「シュトラウス:ホルン協奏曲 作品11」は、きっと観客の誰もがメンバーの誰が吹くのだろう!?と期待していたのですが、なんと4人で吹くとのことで、びっくりでした!
本編最後の曲、ヒューブラーを高らかに奏でるアーヘナーホルンクァルテット
本編最後の曲、ヒューブラーを高らかに奏でる
アーヘナーホルンクァルテット
 曲が始まるとピアノとホルンソロのホルン協奏曲よりも、迫力と重厚感があって、会場中を満たすホルンの音の迫力に圧倒されました。どちらかというとオーケストラとホルンによるホルン協奏曲に近い、迫力のある演奏でした。途中で、あれ?っと気付くとなんと4人で吹いているのですが、実はお馴染みのソロの部分は1番ホルンの澤嶋氏が全部吹いていらして、圧巻の素晴らしい演奏でした。
 最後は「ヒューブラー:4本のホルンとオーケストラの為の協奏曲」で、個人的にとても好きな曲だったので楽しみにしていました。
 美しくホルンを盛りたてるピアノの旋律とホルンの重厚なハーモニーが素晴らしかったです。この曲での注目ポイントは、中盤の4番ホルンのとても低いソロですが、4番ホルンの小椋氏はさすが下吹き!といった感じで、本領を最大限に発揮されて、太くて芯のある音を会場中に響き渡らせていました。会場中のみんなの目(耳)が釘付けでした。


超満員の聴衆のもと熱のこもった演奏会となりました!
超満員の聴衆のもと熱のこもった演奏会となりました!

 曲解説やメンバーの思いなどのお話付きで、終始和やかな雰囲気で進んだ演奏会もあっという間に終演。特に第二部はそれぞれのメンバーのキャラクターが色濃く発揮された素晴らしいプログラムでとても楽しかったです。
 それぞれ、兄弟に例えて呼びあっているというお話がありましたが、演奏会を振り返ってみると本当に長男、次男、三男、末っ子のそれぞれの兄弟関係?が見えてくるようでとても面白い表現だな〜と思いました。
またぜひ近いうちに、兄弟で繰り広げる!?素晴らしいハーモニーを期待しています。

 


AHOC会員No.404 巽 朋子


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