最初の曲はバーンスタインの歌劇《キャンディード》序曲。幕開けにふさわしい華やかな曲だが、ご存じのようにオーケストラでも難しい曲をホルン10重奏にアレンジしてあるので、かなりの難易度となる。しかし、常にチャレンジし続ける姿勢が、AHEJらしいところでもあるのだ。速いパッセージが連続し、細かなミュートワークや超ハイトーンなど聴きどころ満載。一方、中間部では朗々と歌うメロディとゆったりとしたハーモニーを聴かせてくれた。
いまさらだが、やはり楽器が同じということで、響きの純度が高いように感じる。しかし一色になってしまうことなく、吹き手の個性や意志というものをしっかりと表現しつつ、それが融合することでアンサンブルを形作っているのだ。 |