京都教育大学管弦楽団OBオーケストラの設立のいきさつや活動内容について、団長の水野伸也さん(フルート)と事務局の久野浩子さん(ファゴット)にお話をうかがった。
「京都教育大学管弦楽団OBオーケストラ」という長い名前は「チラシを作るときに1行に入らなくて困る(笑)」そうだが、これにはちょっとしたこだわりがある。つまりメンバーの一般公募をせず、基本的には京都教育大学管弦楽団のOBとその知り合いで構成され、このオーケストラのカラーに合う人だけをメンバーとして迎えているということ。
実は、このオーケストラ創設に関わった指揮者の山口基之さんも「団員」であり、「指揮者パートのメンバーということで、楽器を吹く代わりに棒を振るという感じです。指揮者の言うことを団員が聞くだけではなく、指揮者とオーケストラのメンバーが自由に意見を言い合いながら音楽を作っていくという雰囲気が珍しいと思います。初めて来た方はびっくりしはるみたいですけれど。でも昔からの仲間同士ということもあり、意見がぶつかったりしても後に残さないという良さはありますね」と久野さんは言う。
前身は京都教育大の(音楽科の)オペラのゼミの伴奏のためのオーケストラで、何年間か活動を続けたのだが、あるとき山口さんが声をかけ、OBオーケストラという形態での活動を開始。
演奏会は次の11月4日が第6回となるが、「不定期」演奏会だそうだ。
「ホールが取れたらやる、みたいな感じですね。第1回からしてそうでしたから(笑)。ホール取ったからオケやろう、って」
演奏会が決まったら練習場を取り、それに合わせて練習スケジュールを組む。基本は土曜または日曜の練習で、時には1回の練習時間を午後から夜まで長く取るのが特徴。
「普段家で練習できないので、まず音出しや個人練習をして、分奏をしたり合奏をするということもあります」
練習には子どもを連れて家族総出で来るメンバーも多い。春2泊、夏3泊の合宿も「家族旅行を兼ねて」と子供連れが多い。「時によっては子供の人数と大人の人数がかわらないときもあります。子供たちも合宿を楽しみにしているようですよ」
京都教育大学管弦楽団OBオーケストラは、このようなアットホームな雰囲気が最大の特徴のようだ。中には横浜から練習に通い、演奏会に出たというつわものもいたそうだ。そのくらい居心地がいいのだろう。
|