新潟交響楽団に在籍してすでに50年という団長の大塚哲夫氏(ヴァイオリン)にお話をうかがった。
「今でこそアマチュアオーケストラというのは市民権を得ていますが、新潟交響楽団(潟響)が設立された昭和初期の頃は、楽器は揃わないし楽譜はないし、障害だらけだったと思います。それをリーダーが情熱を持って乗り越えて、周りもそれについて行ったのでしょう。
でも歴史は変わっても、団員の『オーケストラをやりたい』という情熱は変わっていないと思います。だからこそこれだけ長く継続できたのだと思っています」
新潟交響楽団の練習は毎週月曜日の夜。皆仕事をやりくりして参加する。
定期演奏会は年に2回。さらに平成2年からは、年末の「第九」演奏会が恒例になっているという。
ユニークなのは年1回の「弦楽器講習会」。市報で公募し、普段弦楽器に触れる機会のない小学生などを対象として、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスについて団員が指導をするということを行なっているそうだ。
取材におじゃましたのは、11月の演奏会に向けて初めて正指揮者を迎えての練習であったが、これから2年間新潟交響楽団を指揮する船橋洋介氏にもコメントをいただいた。
「新潟交響楽団は、皆さんの『音楽が好きだ』という気持ちが音に出て来ていると思いました。新潟のお国柄か、あえて外には出さなくても、内に秘めた情熱が強いような気がします。これから一緒の時間を積み重ねてお互いに分かり合っていくことで、凄く良い音楽ができる予感がしています」
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