アレキサンダーファン
2006年07月掲載
ホルンなんでも盤版Bang! 〜ライブラリー〜 「ホルンなんでも盤版Bang!」
ホルン関係のCD・楽譜情報を発信していきます!!


前回に引き続いての、ホルンに関する名盤・珍盤の紹介企画。
みんな知っている超定盤、「こんなのあったのか」というレア盤を含めた様々な盤を解説付きでご紹介いたします。
ここでご紹介する盤は基本的には筆者のライブラリーですので、当サイトへの、入手方法などに関するお問い合わせはご遠慮くださるよう、お願い申し上げます。


盤版Bang!ライブラリー003

「HORN & PIANO」
池田重一
「HORN & PIANO」池田重一
1〜4. Ronald Hanmer/Suite for Horn
5. Edward S.Solomon/November Nocturne
6. Edward S.Solomon/Night Song
7. Franz Strauss/Nocturno op.7
8. Charles Gounod/Six Melodies pour le Cor a Pistons 〜No.1 Larghetto
9. Paul Holmes/Serenade for Horn and Piano
10. Felix Lemaire/Nocturne pour Cor et Piano
11〜13. Szekely Endre/Sonatina
14. John Arnn/Fantasia for Horn and Piano
15. V.Shelukov/Scherzo
問い合わせ先:
(株)ヤマハミュージック大阪心斎橋店管弦打楽器係
Tel 06-6211-8115/Fax 06-6211-4068

▼「プレーヤーズ Vol.21」に登場していただいている大阪フィルハーモニー交響楽団首席ホルン奏者、池田重一氏によるピアノ伴奏のソロ曲集。わずかに美しいビブラートがかかる、明るく柔らかな池田氏のトーンと全編を通して貫かれている「歌心」に魅了される。
ジャケットにもなっているアレキサンダー103という楽器が、様々に奏者に応えてくれる楽器だということも実感。
▼取り上げられている曲はあまり知られていないものも多いが、このCDに収録されているのは学生やアマチュア奏者でも十分に演奏が可能(と思われる)難度のものばかりで、実際に譜面を探して演奏しようという気にさせられる。
▼Hanmerの「組曲」は伸びやかでチャーミングなメロディが耳に残る。シンプルな曲だがそれだけに池田氏の歌心溢れる演奏が似合っている。皆に吹いて欲しい曲だ。
▼Solomonの「ノヴェンバー・ノクターン」は映画音楽にでも使われそうなメランコリックな旋律でストーリー性を感じさせる。歌詞を付けてポピュラーソングとして歌われてもおかしくないくらいメロディック。泣かせどころも豊富で、個人的にはイチオシ。
▼R.シュトラウスのお父さんでホルン吹きであったF.シュトラウスの「ノクターン」はこの中では有名曲だが、音域が広く、フレーズが長く、意外に難曲だ。しかし池田氏は優しく話しかけるように吹いてしまう。ffに昂まる部分との表現の幅の大きさも聴き所だ。
▼ハンガリーの作曲家Endreの曲は素朴な味わいのある曲だが、実はさりげなく様々な意匠を凝らした、しっかりとした構成の曲だと思える。ファンファーレがそのまま主題となる1楽章や、民族音楽的な部分もある2楽章、変則的なリズムが印象的な3拍子の終楽章と、聴き応え十分。
▼最後のShelukovの曲はまさにアンコールピースにふさわしい、軽やかで楽しい曲だ。


盤版Bang!ライブラリー004

「Richard Strauss Concert」(DVD)
マリー=ルイーゼ・ノイネッカー(ホルン)他
ミヒャエル・ヘルムラート指揮ミュンヘンフィルハーモニック室内管弦楽団
「Richard Strauss Concert」(DVD)
1. R.シュトラウス/ホルン協奏曲第1番
2. R.シュトラウス/弦楽六重奏曲よりカプリッチオ
3. R.シュトラウス/クラリネットと管弦楽のためのロマンス
4. R.シュトラウス/組曲「町人貴族」
IMPERIAL DVD CLASSICS

▼1991年にドイツ・ポリングという街の図書館で収録。図書館とは言っても宮廷風の建物で、教会のように豊かな響きがする。
▼曲目はすべてR.シュトラウスで、1曲目がノイネッカーによるホルン協奏曲第1番。ホルン吹きなら知らない人はいないほどの名曲だが、映像化されている演奏は意外に少ない。今から15年前だからノイネッカーも若く、豪奢なドレスに身を包んでの演奏はかなり新鮮。
▼彼女ならではの張りがあって輝かしい音色は健在だ。もちろん使っている楽器はアレキサンダー103。ライブ収録のように見えるが、ほとんどミスのない完璧な演奏に圧倒される。
DVDだからアンブシュアから指使い、息遣いまでが見て取れる。自由自在に音楽を作り上げるノイネッカーにオケが積極的にからむ演奏はかなり面白いし、映像でもそこがきちんと捉えられているから、バックでどんなことをやっているかも要注目だ。
▼3曲目はザビーネ・マイヤーがクラリネット・ソロを吹くが、こちらも見物。それにしても、素晴らしい音楽を演奏している女性の姿というのは(女性に限らないが)、なんと美しく見えるのだろうか。
メインの「町人貴族」は喜劇の付随音楽が元だが、各楽器が活躍する面白い曲だ。もちろんホルンの見所も多いが、これがまたムチャクチャ上手い!
▼ちなみに輸入DVD(韓国のメーカーらしい)だが、リージョンフリーなので通常のDVDプレーヤーで再生できる。
面白いのはメニューから「MUSIC ANALYSIS」を選ぶと、字幕で楽曲の解説が表示されること。例えばホルン協奏曲なら「オーケストラの和音の後にソロホルンのファンファーレ」「ファンファーレのモティーフを使ってテーマが拡大される」などかなり詳しくその場その場で解説が入り、ためになる。ただし英語だが。

アレキサンダーファン編集部 (今)



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