アレキサンダーファン
2005年09月掲載
ホルン・ワンポイントレッスン 達人の息吹


 達人の息吹 第11回

 アレキサンダーホルン・オーナーズクラブのみなさん、お元気ですか?

夏休み、みなさんどうされてました?今井家は家族で初めて沖縄に行ってきました。
仕事ではもう何回か行ってるんだけど、自腹で行くのは初めてでした。夏休みは料金、結構しますねぇ。グアム・サイパンより高いくらい。でもやっぱりよかったなぁ。日本本土にはない、人と自然の魅力がありました。でもホテルの沖縄料理はいまいちだったかなぁ。今や東京でも沖縄料理屋さんいっぱいあるし、僕もお気に入りのお店、渋谷にありますよ。那覇で夕食が取れればおいしい沖縄料理食べられたんだろうけど、僕が今回一番おいしかったのは「ハンバーガー・ジェフ」の「ぬーやるバーガー」。沖縄行ったら絶対食べたほうがいい!「ぬーやる」というのは沖縄の言葉で「何なんだ」というような意味らしく、ごーやの卵とじとポークミートがはさんであるハンバーガーでなんとも、まいうーでした。だまされたと思って食べてみて!あとクッキーポテトもおいしかったし、「そーきバーガー」といういかにもおいしそうなメニューもありました。
あ、ごーやジュースもうまかった。
 実家にも帰り、毎日のように海か山に出かけていたので、会う人会う人に「黒いね」と言われる始末。この顔じゃ燕尾似合わないだろうなぁ。でもたぶんN響の定期始まる頃にはいつもの黒さ(僕は地黒)ぐらいには戻っていると思うので、テレビとか見てみてください。

まだ休み明けで気分が浮ついている今井ですが、今回は常々思っていることを書きたいと思います。それは、「後押し」についてです。

僕は音大で教えたりアマチュアの人たちを教える機会が結構あるのですが、そこでよく思うのが「音を後押しする人が多いなぁ」ということです。どの楽器にもそういう人はいますが、特にホルンに多いような気がするのです。
僕はドイツに1年間留学しましたがそこで徹底的に直されたのが後押しでした。特に、歌おうとするとそう吹いてしまうことが多く、後押しせずに歌うことを何度も言われました。今ではなんとかそうならず吹くことができているんではないかと思うのですが、それでも気を抜いたり緊張したりすると出てしまって、「あーやっちゃった」ということが今でもあります。
後押ししている演奏を聴くのは本当に気持ち悪いものです。特に本人がそれに気づかず気持ち良さそうに吹いていたりすると最悪です。ホルンにそういう人が多いのは、管が長い為、違う音に移るとき息圧をもう一度上げて次の音に備えようとするからだと思います。きれいなフレーズを作るのに後押しは百害あって一利なし。ぜひともやめましょう。
後押しせず吹くためにはどうすればいいのでしょうか。
それにはまず自分の音を注意深く聴くことです。時には自分のプレイを録音する
ことも良いでしょう。注意するしか方法はありません。
もうひとつ言えることは息の支えでしょう。息の支えが不十分だと音を変えるときにより強い息圧が必要になり後押ししてしまうのです。一音一音、音を支え直すのではなく、一本の息を一定に管に吹き込み続けるような感覚で吹けると理想的だと思います。
 今日のワンポイントはちょっと高レベルのアドバイスだったかなぁ。みんなついて来てる?

P.S もっちゃんさん、わざわざお礼メールありがとう!


PROFILE

今井仁志(いまいひとし) ●今井仁志(いまいひとし)
愛媛県出身。東京学芸大学音楽科卒業。ホルンを千葉馨、伊藤栄一、原田晃祝、デール・クレヴェンジャー、エリック・ティルヴィリガーの各氏に師事。
アフィニス文化財団海外派遣制度によりミュンヘンに留学。
オーケストラアンサンブル金沢、東京交響楽団首席奏者を経て、現在、NHK交響楽団団員。
桐朋学園音楽科講師、武蔵野音楽大学講師、日本ホルン協会常任理事。
アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンメンバー。







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