|
|
|
|
アレキサンダーホルンオーナーズクラブのみなさん、お元気ですか?
5月の下旬、N響の金管五重奏で岡山の玉野という町に行ってきたんだけど、そこの港祭りに富士丸というでっかい客船が来てて、その中で船上コンサートなるものを初めてやりました。ゆ〜らゆ〜ら揺れる中で隣に洗面器置いて、さっき食べたたこ焼きが喉元まで戻ってくるのを必死にこらえながら・・・とは幸いにもならず、だって瀬戸内海だし、天気いいし、港に接岸してるわけだし、ほとんど揺れも感じず無事コンサートは終わりました。日本丸っていうもっと大きい、世界一周できる船のパンフレットが置いてあったけど、外洋に出たらこんなもんじゃすまないだろうなぁ。揺れにあわせて部屋の端から端に5人そろって椅子ごと滑りながら演奏している風景が目に浮かぶ。なわけないか。ちなみに世界一周スイート1室2名、お一人様いっせんまん円超でした。
そのときいろいろお世話してくださった渡辺さんありがとうございました。聞けばなんとホルン吹きだっていうじゃあーりませんか!それに加えてアレキサンダーホルンオーナーズクラブの会員だって。またまたびっくり。お話を聞くと岡山に会員が彼女一人しかいないとのこと。なんとか中国地方とか四国地方の会員の人たち、彼女と連絡取り合ってクラブの輪を広げましょう。
ところでこの間、オーナーズクラブの交流会があって残念ながら僕は行けませんでしたが、みやっちがこのコーナーのテーマを募ってくれたみたいで、4つほど聞きました。その中から、今回のテーマは チューニングです。
まず合奏の前にチューニングやりますよね。Aですか?B♭ですか?オケならAですよね。それはいいとして、ブラスバンドは合理的に考えてB♭の方がいいんじゃないでしょうか?あくまで僕の意見ですけど。それより一番言いたいのはそのチューニングほどあてにならないものはないということです。その数秒後にはもう違うピッチでみなさん吹いてますから!(できたら波田陽区調で)。どちらかというと一番初めにやるチューニングはある種の儀式と捕らえるほうがいいと思います。僕も毎回その儀式に参加してるわけですが、その日の自分の耳の調整をしているというような捉え方をしています。自分にそのAが高く聞こえるとすれば、今日の自分の音の取り方を少し高めにするとかいうふうに。要はその場その場でハーモニーに自分の音を溶け込ませればいいわけです。肝心なのは自分の耳だということです。とは言ってもそれじゃワンポイントレッスンにならないですね。
じゃ、まずその1.
その日の合奏、あるいはピアノ合わせで何度となく、いえ正直に言えば、何十回か音をはずしたとします。その統計を取りましょう。上の音にはずす回数が多い場合楽器のピッチを少し上げましょう。下にはずす場合はその逆です。
その2。アレキ103について。
せっかくアレキのオーナーズクラブのコーナーなので103の楽器の音程のくせについて少し書きましょう。
まずハイEs。これはたいていの人がそう言っているのでまず間違いないと思います。この音はたいてい低くなります。僕が今まで使っていた2本の103もそうでした。
次に上のB♭。この音は高くなりやすいように思います。これはB♭管の主管を少し抜いて、その分全体の主管を入れることである程度補うことができます。
上のE。この音は低めに聞こえることが多いように思います。でもこれが落とし穴。実は低くないんです。吹いていると低く聞こえますが、傍で聞くと低くないのです。
あとはG。この音は他のメーカーの楽器でもそうですが、絶対高くなります。ただしパックスマンを除いて。
チューニングについてというよりは楽器の音程についての話になってしまいましたが、これらのことを頭においてチューニングすれば少しは迷わずに済むかなぁと思います。
最後に、あまりスライド管を抜き過ぎないようにしましょう。音が高くなるのはあなたの吹き方が高いということが多いのです。ですから管を抜く前にあなたの余分に入りすぎた力を抜きましょう。
|
|
|
|
●今井仁志(いまいひとし)
愛媛県出身。東京学芸大学音楽科卒業。ホルンを千葉馨、伊藤栄一、原田晃祝、デール・クレヴェンジャー、エリック・ティルヴィリガーの各氏に師事。
アフィニス文化財団海外派遣制度によりミュンヘンに留学。
オーケストラアンサンブル金沢、東京交響楽団首席奏者を経て、現在、NHK交響楽団団員。
桐朋学園音楽科講師、武蔵野音楽大学講師、日本ホルン協会常任理事。
アレキサンダーホルンアンサンブルジャパンメンバー。 |
|
|
|
|