読売日本交響楽団ホルン奏者であり、我がアレキサンダーホルン アンサンブルジャパンのメンバーでもある伴野涼介氏が、地元つくば(10月5日)と東京(同8日)で初めてのソロリサイタルを開催。東京公演の方を聴かせていただいた(ピアノは下田望さん)。場所はキューピーホール。渋谷の新しいキューピー本社2階にあり、開放感あふれるガラス張りの小ホールで、まるでサロンコンサートのような趣がある。
プログラムにはマイナーな曲ばかりが並んでおり、唯一の有名曲であるベートーヴェンのホルン・ソナタでさえも[チェロ版]を演奏するという凝ったものだったが、終わってみれば「なるほど」と思わせる選曲であった。特に謳ってはいないが、作曲者の出身地を見るとフィンランド→フランス→ドイツ→オーストリア→スウェーデン→ルーマニアと、まるでヨーロッパ一周ツアーになっていた。
なおプログラムノートも伴野氏自らが執筆しているが、ただの曲目解説に終わらず「どうしてその曲を知り、選んだか」とか、自身の目を通した曲の印象なども書かれていて、演奏者との距離がぐっと縮まると同時に、聴いたことのない曲にも親近感の湧くものになった。 |