2団体目の「ホルン友の会」は前述のように、首都圏を中心とした音大生、卒業生の学校を越えた交流のために伊藤氏が提唱して作られたもの。この日も武蔵野音大、東京藝大、昭和音大、洗足学園と普段は別々の学校で学んでいる大学生による演奏で外山雄三《6本のホルンのための"パッサ・テンポ"》。この曲は故・千葉馨氏の依頼で作曲され、伊藤氏も所属していた東京ホルンクラブにより初演された。タイトルは「過ぎ去った時間」というような意味を持ち、曲調もどこか旧き良き時代を感じさせるもの。音大生による演奏はとても真面目で、丁寧な仕上げが好ましいが、ここに“音楽の生命力”のようなものが加わると、この日聴くことができた諸先輩方の演奏により近づけるように思えた。 |