1曲目はターナー編曲の《カルメン》組曲。ターナーだから容赦ないパッセージがどんどん登場するが、とにかく軽やかな演奏だ。この日は平日ということもあって客席には年配の方も多く見られたが、もしホルンという楽器を知らずに聴いたら、「この楽器は簡単に演奏できそうだ」と感じるのではないだろうか。
さすがにベルリンフィルのホルン奏者たち、楽に音を出しているのに、1人1人の音量が大きく、しかも音が手元だけでなく遠くまで伸びやかに届いて、ハーモニーがかなりの容積のある大ホールを満たしている。しかも、ppであっても豊かなサウンドが崩れない。
いつものようにドールが身体を使って音楽をぐいぐいと前に進め、サラ(いつもの通り、彼女だけはファーストネームで呼ばせていただきます!)がしっかりとした低音で足下を固めている。4人が4人とも自由に吹いているようでいて自然に合うというのは、普段から一緒に演奏しているからだろう。 |