▼福岡、京都、東京、仙台を中心に活動するメンバーが集まったホルン四重奏団、シンフォニア・ホルニステン。2003年結成以来、元来ホルン四重奏のために書かれた曲によってプログラムを組み、日本中の様々な地方での演奏会を成功させている。そのシンフォニア・ホルニステンが2007年に初めてCDをリリースした。それもホルンアンサンブルの定番曲を中心としたデビューアルバムと、中学生・高校生にも演奏しやすい小品を集めた《ホルンフェスト》の2枚を同時発売。今回は2枚合わせてご紹介する。
▼《シンフォニア・ホルニステン》をそのままタイトルとしたデビューアルバムは、ホミリウス、ノイリンク、リード、ボザなどホルン四重奏曲のスタンダードナンバーを中心に据え、そこにフルートとホルン四重奏という変わった編成のドップラーとバルボトゥー、そしてアンコールピースとも言えるヴンデラーの「ギャロップ」を加えたプログラミング。
▼シンフォニア・ホルニステンのメンバーは全員がアレキサンダー103を使用。録音した滋賀県高島市のガリバーホールの豊かな響きともあいまって、輝かしく朗々とした「これぞホルンアンサンブル」というサウンドを聴かせてくれる。時には荒々しく、時にはしっとりと、時には神々しくと、様々な表情を見せるが、全体を通して上品で美しいハーモニーを堪能できるCDだ。
▼超絶技巧を必要とする曲は少ないが、それだけに丁寧に演奏し、完成度を高めている点に非常に好感が持てる。4人のメンバーの活動拠点が離れているが、その分濃い練習をしていると想像できるし、メンバー固定のホルン四重奏団としてすでに5年目ということで、お互いに息の合っていることがよくわかる演奏だ。
▼演奏会でもテューバとのジョイントなど様々な試みをしてきたシンフォニア・ホルニステンだが、2曲目に収録されているドップラーの「森の小鳥たち」、4曲目のバルボトゥー「フリュタコランヌ」といったフルート1本+ホルン4本という編成も実際に演奏会で取り上げたものであり、他の団体ではめったに演奏されない曲であろう。これらを聴くと、まさに「森を創り出すことのできる」ホルンのハーモニーと、その中を自由に駆け回るフルートの取り合わせが意外に相性のいいことに、目からうろこが落ちた。
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