東京ハートフェルトフィルハーモニック管弦楽団(以下、THPO)の活動について、事務局の小野雄太郎さんにお話をうかがった。
実は小野さんは演奏には参加しない。THPOの活動のバックアップをするために、結成時に音楽監督にして設立の中心人物でもある西谷さんから声を掛けられ、事務局専門で参加しているそうだ。
「自分も楽器を演奏しないし、オーケストラのことも何も知らないで始めたので、こういうオーケストラに専門の事務局があるのが珍しいということも最近知りました」と言う。
「THPOはもともと、音楽監督の西谷氏をはじめ何人かのメンバーがある演奏会で出会い、『こういうコンセプトのオーケストラを作りたい』ということで意気投合して作ったオーケストラです。それは、『音楽文化を広めていくことで社会貢献を果たしたい』というもので、その理念に共感していただいた方に、ボランティアとして演奏面で参加していただくという形式を取っています。
趣旨としては、多くの人に気軽にクラシックを聴いていただきたい、しかも通常のアマチュアよりももっとクオリティを追求した音楽を、というものです。自己満足ではなく、演奏を聴きに来てくださった方に良い音楽体験をしていただくという目的が、多くのアマチュアオーケストラとの違いになっていると思います」
だからTHPOは通常のアマチュアオーケストラのように参加費やノルマがない。プロが混じっているのも、活動が「ボランティア」であるからだろう。オーケストラは演奏会の収入によって運営されているという。同時に「演奏はしないけれど出資という形で活動を応援していただく」という賛助会員も募っているそうだ。「活動としては、大人向けの『クラシックコンサート』と0歳からの子供に来ていただける『ファミリーコンサート』を交互にやっていこうということになっていて、11月のファミリーコンサートでも北区つかこうへい劇団の方をお招きして『ピーターと狼』を演奏いたします。
クラシックの演奏会は初めてという方も、気軽に楽しめるようになっていますので、ぜひ聴きに来てください」
THPOの音楽監督であり指揮者であり、設立の中心人物でもある西谷亮さんにもお話をうかがった。
「私は指揮者ですが、同時にこのオーケストラの趣旨の元に参加している団員です。まあ言い出しっぺというところもあります。
もともと社会貢献という趣旨で活動しているようなオーケストラが少なかったこともあり、現在休団中のインスペクターとも話をしながらTHPOを立ち上げました。アマチュア、プロ問わず、まず目的意識を共有することが基本となっています。
音楽的にも、小さなお子さんにも楽しんでいただけると同時に、レベルの高い演奏をするために楽団としてのクオリティを上げることを目指しています。そのためにメンバー各々が持っている音楽とか経験を持ち寄っていただくという感じですね。
だから演奏者のクオリティも一定以上必要です。でもその前提として、演奏している側も楽しくないと楽しさは伝わらないと思うんです。まずいろいろな方に聴いて欲しいと思います」
現在、弦楽器は団員を若干募集中だが、管楽器は十分な人数が集まっている。それだけ、この趣旨に賛同する人が世に多いということなのだろう。
下の写真は、2006年3月12日にミューザ川崎で行なわれた第1回クラシックコンサートとそのリハーサルの様子。曲はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番 |
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